ヨガの種類について解説・アシュタンガヨガ・ホットヨガ・マタニティヨガ

ヨガには数多くの種類があります。この記事では、数あるヨガの中でも特徴的なアシュタンガヨガ、ホットヨガ、マタニティヨガについて解説しています。

アシュタンガヨガ

ヨガ

アシュタンガヨガは、とても「激しい」ヨガです。体をハードに動かしながら行うヨガは、ヨガにゆったりとした動きのイメージしか持っていない人には驚きかもしれません。しかし、このアシュタンガヨガは、インドの大学で教鞭をとったこともあるヨガの権威シュリ・K・パタビジョイス氏が完成させたヨガなのです。元々、アシュタンガヨガは、ティルマライ・クリシュナマチャリア氏が土台を築いたもの。そこにアレンジを加えたのがパタビジョイス氏だというわけです。

アシュタンガヨガの流れ

アシュタンガヨガは、神聖な言葉マントラで始まり、マントラで終わります。

アシュタンガヨガの始まりは、太陽礼拝のポーズです。太陽礼拝のポーズにつづき、立位、座位、逆転、そしてフィニッシュまで、動きと呼吸を連動させながら体を動かします。アシュタンガヨガでは「ヨーガ・スートラ」に書かれているヨガの基本となる「八支則」が取り入れられています。

1. 「ヤマ」は禁戒です。悪いことをしてはいけないという心得です。2. 「ニヤマ」は勧戒です。日常的に向上心を持って生きるという心得です。
3. 「アーサナ」は坐法です。瞑想を行うために鍛錬し、心を整えることを指します。
4. 「プラーナヤーマ」は呼吸です。瞑想のために呼吸を整えることを指します。
5. 「プラティヤーハーラ」は感覚の制御です。動じない心を育てることです。
6. 「ダーラナ」は集中です。持続する集中力です。
7. 「ディヤーナ」は瞑想です。雑念を拭い去り、感覚を制御し集中した状態です。
8. 「サマーディ」は三昧(さんまい)です。ヨガの目指す最終到達地点であり、悟りを開いた状態です。

アシュタンガヨガで期待できる効果

アシュタンガヨガでは、さまざまな効果が期待できますが、激しいヨガですから、ダイエット効果はかなり期待できます。非常に運動量の多いアシュタンガヨガでは汗をかく量も多く、大量のカロリーを消費可能です。ダイエットは筋力もないとうまくいきませんが、アシュタンガヨガなら、知らず知らずのうちに筋力がついてきます。インナーマッスルの強化により「緩みにくい」体型作りが可能になり、代謝も良くなるため、全般的に太りにくい体質に改善することが可能です。

ホットヨガ

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ホットヨガは、特に女性に人気があるヨガです。美容効果も含む健康促進効果が期待できるヨガには、どんな特徴があるのでしょうか?

ホットヨガが生まれたのは1970年代のアメリカです。インド出身のビクラム・チョードリー氏が始めたとされています。70年代当時は、日本ではほとんど知られていませんでしたが、2010年頃から日本でも急速に広がりました。

ホットヨガが特徴的なのは、室温35~39℃前後、湿度60%前後という、体の柔軟性が上がる環境でヨガを行うこと。代謝が活発になり、たくさんの汗をかくことで体内の老廃物の排出が進みます。高温で湿度の高い環境で行うため、それほど激しい動きをしなくても効果は出せます。そのため、体力的に自信のない人でも挑戦しやすいヨガです。

ホットヨガは元々、ハリウッドのセレブたちが行っていたことで日本でも人気に火がつきました。おしゃれさとともに、比較的誰でも効果が感じられやすいことも、ホットヨガが日本で受け入れられた理由かもしれません。

ホットヨガのレッスンでは、先述のような環境でハタヨガを行うのが一般的です。もちろん、ヨガスタジオによりレッスンの味付けは少し異なりますが、基本的に鏡の前で生徒たちにやり方を言葉とポーズで伝え、鏡に映るポーズを確認しながら進めていきます。ホットヨガのレッスンが行われる環境に身を置くと、自然と集中できます。初めてホットヨガに挑戦する人は、あっという間に90分のレッスンが終わってしまうことに驚きを感じるかもしれませんよ。

ホットヨガで期待できる効果

ホットヨガは、高温、高湿度の環境で行うため、普通のヨガよりもデトックス効果に優れます。このような環境で行うため、水分補給も欠かさずに行う必要があります。水分をとると、さらに汗が出るので、体内に滞っていた老廃物がどんどん排出されます。体が温まると張り詰めていた神経も緩みます。そのため、ホットヨガはストレス解消にも効果的です。

普通のヨガは全般的な健康促進が望めますが、ホットヨガは、どちらかというとデトックスとストレス解消、リラクゼーションを目的としています。

心と体をバランス良く保つことを目的とするのであれば、普通のヨガのほうが適しています。ホットヨガの環境では、あまりたくさんのポーズはとれません。

マタニティヨガ

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妊娠してはじめてヨガに興味を持つ女性はたくさんいます。そんな妊婦さんが興味を持つヨガが「マタニティヨガ」です。マタニティヨガとはどんなヨガなのでしょうか?

マタニティヨガは、妊娠中でもできる、妊婦さんの体の負担にならないヨガです。妊婦さんの体は、妊娠期の段階により変化していきます。妊娠初期はつわりが激しいものですが、つわりはいつしか治まります。しかし、おなかの中の赤ちゃんが成長するにつれ、内臓は圧迫され、また吐き気などの不快感を覚える妊婦さんも多くなります。また、肩こりや腰痛を訴える妊婦さんも出てきます。

このような妊婦さんの不快な症状を軽減するために考案されたのがマタニティヨガです。

マタニティヨガでは、ポーズにより痛みなどの不具合を軽減し、呼吸法により主に自律神経の状態を整えます。妊婦さんは心と体のバランスが崩れがちなので、マタニティヨガによりバランスをとることで、来る出産に備えることができるのです。

マタニティヨガを始める時期、終える時期

マタニティヨガは、体調や経過に問題がないことが条件となりますが、安定期に入る16~19週目に始められます。安定期よりも前は、まだ赤ちゃんの体の器官が作られている段階なので、この時期のヨガはひかえてください。

基礎疾患をお持ちの妊婦さんは、必ず担当医に相談したうえで、許可を得てからマタニティヨガを始めるようにしましょう。

マタニティヨガは、妊婦さんの心と体のバランスを整えることが目的なので、無理をする必要はまったくありません。最初は週に1回でも、5分でもOKです。少し慣れてきたら、回数や時間を増やしていけばいいでしょう。

マタニティヨガは、初産の妊婦さんは出産予定日まで続けてかまいません。すでに出産を経験している妊婦さんは、30週程度を目安にマタニティヨガを終わらせます。

マタニティヨガで期待できる効果

妊娠中は、ちょっとした作業をしているだけなのに呼吸が乱れることがあります。マタニティヨガでは、普通のヨガと同じように動作と呼吸をセットで行いますが、これにより呼吸の乱れも整えることが可能です。呼吸により自律神経のバランスが整えられると睡眠障害などの症状も緩和できます。そのほか、マタニティヨガの呼吸法と動きは、母乳量の増加、筋力アップなどの効果をもたらします。そして何より、瞑想することで赤ちゃんとコミュニケーションをとる時間が作れることは、かけがえのないことです。

まとめ

ヨガ

非常に特徴的なヨガ、「アシュタンガヨガ」「ホットヨガ」「マタニティヨガ」について紹介しました。ヨガにはさまざまなバリエーションがあるので、目的に合わせてヨガを選んでみてはいかがでしょうか?